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いつものように近所の公園でブランコに乗って遊んでいると、美優がやって来た。美優は僕の姿を見つけると、一直線に走り寄ってきて、隣のブランコに腰掛ける。
「ねえ、裕翔。もう少ししたら小学生だね」
「うん、そうだね」
「一緒のクラスだといいね」
「別に」
「美優が他の男の子のこと好きになってもいいの?」
「それは……やだ」
僕は答えながら、ブランコをより強く漕ぐ。美優も負けじと強く漕ぐ。
「ねえ、裕翔」
「何?」
「大きくなったら、裕翔のお嫁さんになってあげるね」
「ホントに?」
「ホントに。それでね、結婚式で、私が裕翔のために作った曲を弾くね。だから、お返しに、裕翔も私のために曲を作って弾いてね」
「わかった。僕、もっと一生懸命ピアノ練習する」
「約束だよ」
「もちろん」
僕たちは揺れるブランコの上で、顔を見合わせて笑った。
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