1―始まり―

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恭しく頭を下げるも、白々しさは隠せない。 真名は軽く眉をひそめると、店内を見て回りだした。 「この店はできて長いのか?」 「大正時代から存在しています」 「…長いな」 そのわりには店内は綺麗で、建物もしっかりしている。 置かれている骨董品は、歴史を感じる物から、近年の物と思われる物までいろいろだ。 それらが違和感なく、店内にそろっている。 「古くからあるようだが、店名は変えたのか?」 「いいえ、創立当時から変わっていません」 「変えることをオススメする。あまり良い名とは思えないが?」 「そうですか? 気に入っているんですけどね」 「ちなみに何て読むんだ?」     
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