1―始まり―

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「中国の貴族の女性が、美容の為に動物の生き血をその器に入れて、飲んでいたそうです」 それを聞いた真名は、すぐに器から視線を外した。 そして次に気になったのは、古そうだが美しいアンティークの指輪だ。 大きなダイヤモンドがはまった指輪。 家何件分かと計算できるほどの価値がありそうだ。 「じゃあコレは?」 「良い物に目を付けられますね。その指輪の石は、『呪いのダイヤモンド』と申しまして…」 「もういい」 青い顔で説明を遮り、何かまっとうな物はないかと探した。 さっきの二つは見た目にも古そうだった。 ならば新しい物であれば、大丈夫かもしれない。 そう思い、今度は腕時計を指さし、魅弦を見た。     
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