1―始まり―

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「良きお名前で。しかし…皮肉なお名前でもありますね」 一瞬顔を歪めた真名だが、すぐに苦笑する。 「そうだな。私もそう思う。―ではな」 「はい、また」 そして今度こそ、店を出た。 外に出た真名は、改めて店を仰ぎ見た。 真っ赤な夕日に照らされ、店は不気味な影を生み出していた。 その影から逃げるように、真名は駆け出した。
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