2―闇の入り口―

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真名はぶすっとしたまま、リンゴジュースをすすった。 しかしケータイが鳴った為、すぐに口を外した。 ケータイに表示されている名前は、引っ越す前にいた街の友人だ。 小学生の頃、近所に住んでいて、仲が良かった。 絵を描くのが得意で、高校もそっちの専門学校へ進んだことを真名は思い出しつつ、ケータイのボタンを押した。 「実花? どうした? こんな朝から」 懐かしい友ということで、真名の声のトーンと機嫌も上がる。 「…真名、お願いがあるの…」 しかし電話の向こうから聞こえてきた声は、悲しみに満ちていた。 「ん? 何だ?」 だからあえて、優しい声を出した。     
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