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「破滅の道に引きずり込むってか? おっかないねぇ、人の思いは」
ぐふっとゲップをしながら、真名は遠い目をした。
「…真名はそういうの、無さそうだよね」
「逆に絵にも描かれないでしょうね。…この性格だもの」
「どういう意味じゃ!」
平凡ながらも平和な毎日。
高校生活を楽しんでいるようなシーンが、この教室の中ではあった。
その心の中は知れないが…。
この教室の中にいるのは、どこにでもいるような高校生ばかり。
しかし一人だけ、どこか変わった雰囲気を持つ女子生徒がいた。
それが神代真名、十七歳だった。
漆黒の髪は肩の辺りで切りそろえ、メガネをかけている。
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