1―始まり―

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「破滅の道に引きずり込むってか? おっかないねぇ、人の思いは」 ぐふっとゲップをしながら、真名は遠い目をした。 「…真名はそういうの、無さそうだよね」 「逆に絵にも描かれないでしょうね。…この性格だもの」 「どういう意味じゃ!」 平凡ながらも平和な毎日。 高校生活を楽しんでいるようなシーンが、この教室の中ではあった。 その心の中は知れないが…。 この教室の中にいるのは、どこにでもいるような高校生ばかり。 しかし一人だけ、どこか変わった雰囲気を持つ女子生徒がいた。 それが神代真名、十七歳だった。 漆黒の髪は肩の辺りで切りそろえ、メガネをかけている。     
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