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決して不愉快ではないけれど、どこか耳が痛くなる。
「いらっしゃい。…おや、珍しい。女子高校生のお客さんですか」
中から出てきたのは、和服を着たおじいさん…ではなく、私服姿の美しい青年だった。
見た目からすると、成人は迎えているだろう。
黒髪は少し長く、切れ長の黒い眼は力強い光を宿している。
普通の女子高校生ならば、一瞬にして恋に落ちそうなほど甘い笑みを浮かべている。
だが相手は真名。
青年が出す雰囲気に、得体の知れない不気味さを感じ取っていた。
それは下手をすれば、自身を危険にさらすほどの不気味さ。
その正体はきっとアレだろうと、真名は思い当たった。
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