1―始まり―

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「胡散臭い雰囲気」 「考えが口からもれていますよ?」 「ああ、失敬」 真名は肩を竦めて見せた。 「あなたはこの店の店主?」 「ええ。魅弦みつると申します」 「女みたいな名前だな」 「この店の店主として、相応しい美しい名前でしょう?」 「………」 「…え~、ツッコミは無しですか?」 「ほぉ。今のはボケだったか」 「ええ、まあ…。若い女性のお客さんは、ウケてくれるものなんですけどね」 「生憎と私は見た目は若くとも、精神的に老けている。そういうのは期待しないでもらいたい」 「そうですか。それは失礼しました」     
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