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「退職金も払います。なので何も言わず、会社を辞めてください。すでにリストラ対象となっていること、ご存知ですよね?」
「…くそっ!」
しかしヤツはナイフを取り出し、彼に向かって走ってきた。
なので俺は彼の前に立ち、ヤツのナイフを持っている腕を掴み、そのまま足を払って、床に叩きつけた。
「がはっ!」
「や~っぱお仕置きが必要なようだな」
彼はケータイを取り出し、どこかに連絡し出した。
「あっ、オレだ。すぐ来てくれ」
数分も立たないうちに、屈強な男が3人現れた。
ちなみにウチの社員では、決してない。
「コイツ、頼むわ」
「はい」
男達は気絶しているヤツを持ち上げ、そのままどこかへ行ってしまった。
…どこで、何をするかは、聞かない方が良いだろう。
魂がそう言っている。
―危険だ―と。
「…相変わらず変な人脈をお持ちなようで」
「なぁに、お前には負けるよ」
笑顔の言葉は、しかし眼は笑っていない。
「さて、それじゃあさっきのホテルに戻るか」
「あちらに泊まるのですか?」
「ああ、夜景が気に入った。もちろん、お前も泊まるよな?」
「同室…ですか?」
「もちろん。一緒に酒飲んで明かそうぜ?」
俺は肩を竦め、ため息をついた。
「…分かりました。あなたのおっしゃる通りに」
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