俺の主人

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朝10時から12時までは、幹部会議。 人事異動も含めているので長い。 12時から13時まではお昼。社長室で彼の要望で寿司を食べた。 その後、13時から17時までは営業として、外回り。 18時から20時までは、販売支店巡り(ちなみに街中に5店舗)。 21時からは同業者達のパーティーに参加。 …さすがにここまでこなすと、俺も彼も多少ぐったりしていた。 パーティーが行われるホテルの一室を借りて、持ってきたスーツに着替える。 「あ~つっかれたぁ。マジで疲れた。明日は寝るぞ。起こすなよ?」 「午後になれば起こします。仕事がありますから」 「仕事の鬼め」 「褒め言葉をありがとうございます」 時間を確認すると、そろそろいい頃合だった。 「ではそろそろ行きましょうか。社長」 「おっ、そうだな」 意気揚々と出て行こうとした彼だが、ふと気付いてしまった。 「あっ、待ってください。社長、ネクタイ曲がっていますよ」 「ん?」 俺は素早くネクタイを直し、肩を軽く叩いた。 「鏡を最後に見ることを忘れないでくださいよ」 「悪い悪い。しっかしアレだなぁ」 彼がいきなりジッと見てきたので、居心地の悪さを感じた。 「なっ何ですか?」 「お前も大人になったもんだ。昔はネクタイも1人で結べなかったのに」 『昔』っ…! 「昔は昔です。そんな発言すると、年寄り臭くなりますから、やめた方がいいですよ」 「んがっ!?」 「それじゃ、行きますよ」 会話を打ち切るように、俺はドアを開けた。
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