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パーティーは盛況だった。
今人気のジュエリー業界の人間ばかりだからだろう。
誰も彼も、洒落たジュエリーアクセサリーを身に付けている。
特に女性達は派手だな。
個性的でありながらも、大粒の宝石を使ったアクセサリーを身に付け、機嫌良さそうに笑っている。
まっ、確かに自分自身が会社の広告塔みたいなものだしな。
俺や彼も、少なからず会社の物を身に付けている。
まあ…社長のは派手だが。
社長はこういう華やかな場所が好きだ。
今も愛想を振り撒き、同業者達と楽しそうに会話をしている。
俺はハッキリ言って、この手のは苦手だ。
しかし苦手だからと言って、何もしないワケにもいかない。
同じような秘書達と情報交換するのも、仕事のうちだ。
そして21時30分、パーティーを途中で退場。
再びホテルの一室で、着替える。
「あ~楽しかったぁ♪ やっぱり社交場は良いねぇ」
「次のスケジュールがありますので、とっととシャワー浴びてきてください」
「…味気ない秘書だ」
「味気なんてなくて結構。次は俺が入るんですから、さっさと入ってください」
彼をバスルームにグイグイと押し込む。
「へいへ~い」
バタンとドアが閉まると、深くため息を吐く。
しかしすぐにドアは開き、彼が顔を出した。
「どうしました? 着替えなら中に入れてありますよ」
しかし彼はニヤッと笑う。
ゾクッ!と背筋に寒気がっ…!
「一緒に入らないか? 時間、短縮できるぞ?」
予感的中…。
「男2人で入るには、狭いですよ?」
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