12人が本棚に入れています
本棚に追加
最終手段で体当たりを始めたようだ。
ドンドンと鈍い音が響いている。
そんな原始的なことで開くわけがない。
ドアの鍵が開く前に彼女の体に異変が生じた。
(やっと効き始めたのか。本当に遅延性だったな)
「か…らだ…が…あ…つい…」
「そうだろうね。だって、最初に出した紅茶の中に少し薬を入れておいたんだもの」
「何で?」
「何でって君は僕のものだから。僕が君を簡単に逃がすと思った?」
僕は体が自由に動かない彼女を抱き上げ、寝室に連れて行った。
そこには隠し撮りされた彼女の写真でいっぱいの部屋。
彼女の顔が引き攣っている。
「僕の君への愛、分かってくれたかな?これだけ君のことを愛しているんだよ」
「分から…ない…し…分かり…たく…もない」
「僕の元へ落ちるのももうすぐだよ」
「絶対…落ちない…」
「そう言ってられるのも今のうちだよ?」
それから三日三晩休ませることなく彼女を愛し続けた結果、彼女は僕の元へ落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!