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「よお、久しぶりだな」
駅前で偶然昔の友達に会う。
「おう、会うのは何年ぶりだ?」
昔のたわいない話を交わしていると、彼の隣に女性がいることに気付いた。
きれいな髪を持った一般的に美人と言われる類の女性だ。
この友人にこんな彼女ができているとは、正直うらやましい。
ただ、そんな感情はなくして、友達に囁く。
「お前いつの間にこんな美人な彼女ができたんだよ」
「いいだろ。毎日一緒にいるんだぜ」
「同棲してんのか?うらやましいな、この野郎」
冗談まじりに友人を小突く。
「あの・・・」
彼女が俺に声をかけてきた。
「はい。こいつの相手大変でしょ?めんどくさい所も・・・」
「すみません。あなたさっきから誰と話しているんですか?」
彼女の質問に俺はいまいちピンとこない。
「えっ。こいつですよ。あなたの彼氏でしょ?」
「私は一人でバスを待っているだけだし、彼氏もできたことないですけど・・・」
「はっ?」
俺が困惑していると、バスが来て、彼女は乗り込んでいった。
そして、出発するバスで、友人は彼女の隣に座っているのだった。
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