午前8時、王兄さんと!

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僕と秘書さんが話している所に王兄さんがやってきた。タオル地のガウンを半分着崩してシマシマ模様のパンツが丸見えだし、頭も物凄い寝癖だ。 王兄さんはこう見えても香港マフィア。トライアド、14Kに所属するグループの首領だ。でも僕がいつも見ている王兄さんは何というか、本当にどこにでもいる普通の兄さんだ。王兄さんは腹をボリボリ掻きながら僕に片手を振ってこっちへ来るようにと合図した。僕もソレに従い部屋の中へ入ってゆく。 王兄さんがフカフカそうで大きな革椅子へ腰掛けたので僕は机の上に持っていたスポーツバックを置いた。ベシャリと水音がしてバックから真っ赤な液体が漏れる。ああ、もっと耐水性のバックにしておけばよかったなぁ。 「王兄さん、お約束の商品お届けにあがったッス!」 王兄さんはスポーツバックのチャックをジジジと開けて、中のモノと目を合わせたあと、僕を見てニィっと笑った。 「やっぱお前に頼むのが一番早くて間違い無いわ~!これでお兄ちゃん暫く楽出来そう!サンキューな!」 そう言って、机の引き出しから札束を3つ程出して僕に渡してくれた。 「毎度どうもでっす!今後ともごひいきにっ!」 「あ、弾代とかも請求してイイヨ~ 、どうせ上モチだしね。」 「そうっすかぁ~、じゃあ今回ちょっと商品の入手に手間取っちゃって、ちょーっと弾代がかさんじゃって!」 「ホイホイ」 王兄さんは引き出しからもう一つ札束を取り出した。僕がその札束を受け取ろうと伸ばした手を王兄さんはもう片方の手で掴んだ。
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