午前8時、王兄さんと!

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「・・・・・・ところでさぁ、ハレルヤ。この前話した件、考えてくれた?」 「あー・・・」 王兄さんがニタリと笑って僕の顔を覗き込んできた。顔は笑ってるんだけど目は捕食者のソレだ。僕は言葉を濁して視線をずらした。 「お前が俺の直属になってくれるとさぁ~、このTGW地区でもかなり磐石になるんだよねぇ・・・何せ、お前ら兄弟つっても5人の敵だからね!?1人ぐらいお兄ちゃんの味方になってくれてもいいよなぁ~?」 「うえぇ~・・・僕、今のお仕事好きなんだよなぁ・・・・」 「殺る事ァ変わんないってェ~なぁなぁ~・・・あ、愛人でも可!どうよ?俺と愛人契約結ばない?お釈迦様もビックリの極楽連れてってやるよ?」 王兄さんが自分の唇をペロリと舐めて腕を掴んでいた手で僕の頤を持ち上げ顔を近づけて来た。僕は、札束から10枚程拝借しつつ、バック転して王兄さんと距離を取った。 「王兄さん、この前同じ事アレン兄さんにも言ってたでしょ~ウワキはあきまへんで~」 「えぇ~男の甲斐性でしょ~?」 僕との交渉が決裂した事が分かったのか王兄さんは僕を追いかけて来なかった。僕もお話はこれでオシマイだと手を振った。 「それじゃあ、王兄さん、また何かお届けものがあったら呼んでね!」 「へいへい。」 王兄さんは机に肘をついて、僕にはもう用は無いとばかりに虫でも払う仕草で手を振っていた。 さて、今度はミラの所に荷物を引き取りに行かなきゃ!
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