午前10時、ミラと!

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構内を歩いてゆくと、行き止まりにパーテションで区切った場所がある。 そこがミラのおうち。普段は駅の入り口から防火壁で完全封鎖してるみたいなんだけど、僕が来る約束をしてる時は開けておいてくれるんだ。 「おーい、ミラー!荷物取りに来たよー!」 僕がパーテションをゴンゴンと叩いて中に入ると、机に向かっていたミラが振り返った。 パーテションの中は、壁中にディスプレイがかけられていて、TGW地区中の監視カメラの映像を映し出していた。あ、今右端のカメラで銃撃戦やってる!なんかケーブルテレビを一気に見てる感じだ。 「ハレルヤ兄さん!いつもありがとう~。コレ悪いんだけど、アレン兄さんに届けてくれない?あと報酬はいつもの口座にお願いって言っておいて!兄さんの料金もアレン兄さん持ちだから!」 「あいあいさー!」 ミラは小さなUSBメモリーを僕に手渡した。僕はそれをズボンのポケットへ放り込んだ。 「ハレルヤ兄さん、お茶飲んでいかない?ティーバックじゃないやつ!マリアージュフレールだよ!」 僕は紅茶の事はよく分からないけど、ミラの出す紅茶やお菓子はいつも美味しい!僕は二つ返事で頷いた。 「いただきマッス!」 ミラがリビングとして使ってる場所にある白いソファに座って待っていると程なくしてミラが紅茶とお菓子を持ってきてくれた。 「いいにおい!いいにおい!」 「フランスの紅茶だからお菓子もカヌレにしたよ!」 カヌレが何か分からなかったけど、僕は茶褐色の小さな溝がついた焼き菓子をパクリと口にいれた。周りがサクっとしてて中がモッチモチで甘くてうんまーい!紅茶もフルーツの匂いがして僕はあまりの美味しさに口元が緩んだ。 「ふへへ~。ミラの所に行くといつもおいしいオヤツが出てくるから嬉しいなぁ~」 「あ、言っておくけど誰にでも出してる訳じゃないからね!兄さんが来ると思って用意してるんだよ?」
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