東京ゲートウェイ番外地とは

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東京ゲートウェイ番外地とは

この平和な日本という国に住んでいる人々の99.9%がその街の事を知らない。 世界中のありとあらゆる悪人がゴミクズの様に集まった夢の島も真っ青な放射性廃棄物クラスの吹き溜まり。その名も「T(東京)G(ゲート)W(ウェイ)地区」 TGW地区は約30年程前、東京湾に作られたウォーターフロントだったが、当初の都市計画がバブル経済破綻などなど含めお国の財政難やらで頓挫してしまい、街の器だけを残して人も寄り付かない過疎地域となっていた。 いつしか其処は世界中から集まって来たありとあらゆるアウトサイダーの溜まり場になり、そのアウトサイダーを相手に商売をする奴らの街と成り果てた。 マフィア、ヤクザ、麻薬カルテル、テロリストに武器商人にハッカー…アンダーグラウンドに住み着くクズ共の巣窟でもあり、そういう暗黒街の情報を求める各国諜報員まで屯する言わばごった煮鍋の様な街である。 大げさかもしれないが、この街の覇権を握る事は、暗黒世界を制していると言っても良いとまで言われている。 現在この街は、大きく6つの勢力が綱渡りのロープの上に乗りながら微妙なバランスで成り立っていた。 TGW地区には特殊な制度「シィォンディ制度」がある。 主に抗争での勝敗や商売での上得意、恩義を受けた相手を「兄」と呼ぶのだ。兄は、弟を助け、弟は兄を敬う…所属の垣根を越えた関係だ。義理や人情なぞ犬にでも喰わせろという思想の街でこの制度は異例中の異例だった。 そして6つの勢力はシィォンディ制度で結ばれており、この兄弟達が根城にしている地区は『TGW地区番外地』と呼ばれている。
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