1790人が本棚に入れています
本棚に追加
/177ページ
「・・・あっつい」
柊さんは室内の温かさに、被っていた布団を捲り目を覚ます。
「夏、起きてたんだ。おはよ」
横で見詰める俺の視線に気付き、少し照れくさそうにそっぽを向く。
「おはよって、もうすぐ3時ですよ?お腹空きませんか?」
「んー、あんまり。喉乾いたな」
「水持ってきますね」
冷蔵庫から持ってきたミネラルウォーターのペットボトルを柊さんに手渡すと、体を起こし まだ眠そうな顔をしながらそれを口にする。
「ありがと。息子がいい子だとホント助かる」
・・・また『息子』かよ。
あー、イライラする。
苛ついた俺はペットボトルを取り上げ、柊さんの頭上でひっくり返した。
寝起きに頭から水をかけられ、呆然とする柊さん。
「ちょ・・・、何するんだ。ベッド濡れただろ」
そっちの心配?
「これでもまだ『いい息子』って言います?・・・俺のベッドなんで気にしなくていいです。どうせ昨夜の柊さんのヤツでバリバリに汚れてるんで」
「どうしたんだよ急に。遅かりし反抗期か?」
柊さんは、髪から落ち顎を伝う水を手の甲で拭いながら、不思議そうに俺を見る。
最初のコメントを投稿しよう!