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コーヒーふたつとコーラをトレイにのせ、レセプションルームのドアをノックして入る。
「失礼します」
部屋の中に入って、冷や汗が出た。
万里さん・・・。
「やあ、夏くん久しぶり。湊の所でバイトしてるんだってな」
「・・・はい。お久しぶりです」
爽やかな笑顔を万里さんに向けられて、俺は顔が引き攣ってしまう。
最後に会ったのが、柊さんの過去を聞いたあの日。
万里さんは・・・あのくそエロ柊さんを知ってる・・・というか、開発者・・・。
「マネが知ってる子?」
ソファに座る万里さんの奥から、ハスキーがかった低い声。
あ!この人、HIPHOPアイドルグループの元メンバーじゃん!確か・・・シウとかいう超美形ハーフ芸能人。
「ああ。湊の息子だよ」
紹介された俺は軽く会釈して、コーヒーを柊さんと万里さんの前に、コーラをシウの前に置く。
つーか、コーラ飲むの こいつかよ。
「・・・へぇ~。息子にしては大きい。湊さんて実は相当おじさん?」
湊さんに対するシウの言葉は、なんだかトゲがあるように思える。
「ははは。夏とは血が繋がってないから。でも、シウくんと夏からしたらおっさんだよ」
シウの言葉も軽く受け流す大人モードの柊さん、カッコイイな!
最近、家で甘えてる姿しか見てなかったから、こういうの久しぶりで、グッときちゃうな~。
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