傷痕

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「まだ若い夏には辛いかもしれないけど・・・それでも俺と一緒にいてくれる?」 この人が自分で作って来た傷痕は、絶対に消えない。 だったら、俺も同じだけ傷付いたって構わない。 「もちろんですよ。今はもう、俺がいるのは柊さんの頭の中だけじゃないです」 「・・・そうだな」 目が合うと、ははっ、と子供みたいな笑顔を向けてくれる。 「緒方さんにも感謝しなきゃな」 「なんでですか?」 「あの人がホテルに連れてってくれなかったら、夏ともセックスしてなかったかもしれないだろ?」 柊さんは柔らかく微笑んだ後に、俯き気味にゆっくりと目を逸らす。 あーもう、そういうの ほんっとエロい。 俺の嫉妬も不安も、結局 どエロ悪魔に全部持ってかれちゃうんだよな。 くっそぉ~!箸が転がっても下半身が反応してしまう自分の若さが憎い・・・! 「夏の手、熱くなったな。・・・早く帰って俺も熱くして欲しいな」 「ハイ!!」 柊さんの手をぎゅっと握る。 この人のどんな過去もすべて受け入れる。それが俺が今いる地獄なんだ。 でも、ここにいる どエロ悪魔のおかげで地獄も悪くない、と思えるのだ。
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