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夕方になって、真面目クンの通う進学校へと謝罪に行くために、俺と柊さんは駅で待ち合わせていた緒方と合流した。
昨日と同様の何とも言えない雰囲気が、柊さんと緒方の間に漂っている。
妬いちゃいけない、柊さんにとって緒方はただの元客、恋愛感情なんか無かったんだから・・・そう思っても、湧き上がって来る吐き気にも似た胸クソ悪さに、俺は飲み込まれそうになってしまう。
「じゃあ、行きましょうか」
緒方の右手が柊さんの背中に添えられたのを見て、俺は思わずその手を叩き落としてしまった。
「いてっ!・・・どうした柏木?」
緒方に名前を呼ばれて、ハッと我に返る。
「あー・・・、いや、・・・えーっと・・・」
ヤバイ。言い訳ひとつ浮かばない。なんて言ってごまかそう・・・
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