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『なんだ?やっぱり俺の話、聞く気になったか?』
「ちげーよ!・・・なあ、緒方。お前、柊さんの客だったんだよな?」
『・・・』
やべぇ。ストレートに聞きすぎたか?
『・・・過去の話だ。息子がいるのにどうこうしようなんて思ってない。安心しろ』
嘘つけ。助けたい、許してくれるかって言ってたじゃねーか。
でもそんなことより今は
「緒方、柊さんが行きそうな所とか知らねぇ?」
『ミナトの行きそうな所?』
「そー。緒方、どこで柊さんと知り合った?それか、よく行ってたラブホとか」
『おまっ!何聞き出そうとしてんだよ!生徒にそんな事言えるわけないだろ!』
「いいから!柊さんが、俺に嘘ついて出てったんだよ!電話も出ないし嫌な予感すんだって・・・長澤の親父にも繋がらない。頼む、何でもいいから教えてください!」
緒方には見えてないけど、俺はスマホを耳に当てたまま深く頭を下げる。
『・・・思い当たる場所ならある。俺が行くから、お前は家にいろ。子供が行ける所じゃない』
「嫌だ!俺も行く!俺、柊さんが好きなんだよ!若いうちに無茶しろっつったのお前じゃん!行かなきゃ絶対後悔する。お願いします、一緒に連れてってください・・・」
頼むから・・・お願いだから・・・
こんな不安な気持ちのまま、待ってるなんてできない。
『・・・はあ。学校には絶対に言うなよ!俺の辞表がかかってる。あと、お前は今からハタチの設定な!それが守れるなら迎えに行ってやる』
「死んでも守ります!!」
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