求めたもの

3/13
前へ
/177ページ
次へ
『なんだ?やっぱり俺の話、聞く気になったか?』 「ちげーよ!・・・なあ、緒方。お前、柊さんの客だったんだよな?」 『・・・』 やべぇ。ストレートに聞きすぎたか? 『・・・過去の話だ。息子がいるのにどうこうしようなんて思ってない。安心しろ』 嘘つけ。助けたい、許してくれるかって言ってたじゃねーか。 でもそんなことより今は 「緒方、柊さんが行きそうな所とか知らねぇ?」 『ミナトの行きそうな所?』 「そー。緒方、どこで柊さんと知り合った?それか、よく行ってたラブホとか」 『おまっ!何聞き出そうとしてんだよ!生徒にそんな事言えるわけないだろ!』 「いいから!柊さんが、俺に嘘ついて出てったんだよ!電話も出ないし嫌な予感すんだって・・・長澤の親父にも繋がらない。頼む、何でもいいから教えてください!」 緒方には見えてないけど、俺はスマホを耳に当てたまま深く頭を下げる。 『・・・思い当たる場所ならある。俺が行くから、お前は家にいろ。子供が行ける所じゃない』 「嫌だ!俺も行く!俺、柊さんが好きなんだよ!若いうちに無茶しろっつったのお前じゃん!行かなきゃ絶対後悔する。お願いします、一緒に連れてってください・・・」 頼むから・・・お願いだから・・・ こんな不安な気持ちのまま、待ってるなんてできない。 『・・・はあ。学校には絶対に言うなよ!俺の辞表がかかってる。あと、お前は今からハタチの設定な!それが守れるなら迎えに行ってやる』 「死んでも守ります!!」
/177ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1805人が本棚に入れています
本棚に追加