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車でマンションから20分ほどの歓楽街、その近くのコインパーキングに停めた緒方が、俺に念を押すように強く言う。
「柏木、絶対に未成年だってバレるなよ!あと、コレかけとけ」
伊達メガネを渡されて、同じ様に伊達メガネをかけた緒方と並んで歓楽街を歩く。
キャバ嬢やホストらしき着飾った男女と、スーツを着たサラリーマンやOL風のお姉さん、一見ヤクザっぽいお兄さんや、明らかに金持そうな奴ら、そうでない奴らもいる。通り全体が酒とタバコの匂いで充満してるみたいだ。
こんなとこ初めて来たな・・・。
夜なのに、ネオンや街灯で 昼間より明るい気がする。
こんな所に柊さんは通ってたのか・・・。
薄暗い路地に入った所にある、地下へ続く狭い階段を降りると、重厚そうな扉の前で緒方が立ち止まる。店の外まで聞こえて来る音楽が、何だか現実離れした雰囲気を醸し出していた。
「お前には・・・目の毒になるような店だ。何を見ても動じない覚悟、あるか?」
目の毒?緒方の言ってる意味はよく分からなかったけど、とりあえず頷く。
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