求めたもの

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扉を開け中へ入る緒方に続く。 鳴り響く大音量の音楽が心地悪い。 薄暗い店内の真ん中に丸いカウンターがあり、それを囲むように広いフロア、壁に沿って仕切られた幾つものボックス席がある。 人目も気にせず絡み合っている男女がチラホラ。 よく見ると「男女」じゃなく、同性同士でキスをしたり抱き合ったりしてる奴らもいる。 それを見た俺は、一気に全身の血が冷たくなる。 慌てて柊さんを探すが、それらしき姿が見えなくて安堵の溜息が出た。 緒方がカウンターにいるスタッフに声を掛け、何か話しているが、雑音のせいでよく聞こえない。 俺は居心地の悪さに、人が視界に入らないようにしながら店内を見渡す。 ふと店の奥にあるカーテンから出てくるスーツ姿の中年男性3人が目に入る。 え・・・、アイツ・・・ 「緒方!あのオヤジ、いた!」 スタッフと話している緒方の肩を揺らすと、振り返った緒方に「顔を見られるな」と釘を刺され、長澤から見えないように様子を伺う。 不機嫌そうに店を出ていく長澤。 柊さんは一緒じゃ無さそうだ。 緒方と話していたスタッフの男性がカーテンの奥へ入って行き、暫くして戻って来る。「ついて来い」と言われて入ったカーテンの奥には、個室になっているのか 通路の左右にドアが2つずつ並んでいて、そのうちの1つのドアの前に案内された。 ドアを開けて部屋の中が見えた瞬間、俺は息をするのも忘れてしまうくらいに、目の前の光景に衝撃を受けた。
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