求めたもの

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柊さんの話を要約するとこう。 俺を犯すと言った長澤に自分の体を差し出し、これで最後にしてくれるなら好きにしていい、と言って監視カメラで柊さんを抱いている所を記録し、映りが悪かった時の事を考えて、シウの生放送終わりに来てくれ、と事前に万里さんに目撃者役を頼んだ。 そして、長澤が俺に近付くようなら この趣味を家族にバラす、と脅したらしい。 この店のオーナーも、常連である長澤の横暴振りに困っていたらしく、柊さんに協力してくれたとの事。 「昔から、長澤は・・・若い男が好きなんだ。だから、夏も・・・って考えたら腹が立って、なんとかしなきゃいけないと思って・・・」 柊さんは不貞腐れたように片頬を膨らませる。 いくらあのオヤジが若い男が好きだからって、俺は中性的でもないし、柊さんみたいなか弱そうなタイプでもないし、犯すなんて・・・ それって、明らかに長澤の親父が柊さんを抱きたいがために言ったと思うんだけど・・・ 「はは、湊は意外と・・・独占欲が強いらしい」 万里さんが笑う。 「自分でも知らなかったけど、そうみたいだ。まさかこんな目に遭うなんて思ってなかったけど」 何故か柊さんも笑い出す。 血が出るくらい酷い目に遭ったのに、何で笑ってるんだよ。 「にしても夏がここに来るのは想定外だった。緒方先生、またご迷惑をかけてしまいました。申し訳ないです」 「いえ。俺は何も・・・」 体を起こし、柊さんは緒方に頭を下げる。
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