僕は君の・・・

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俺がこんな事しても怒らないのは、完全に下に見てるからだ。 「反抗期・・・。いつまでもガキ扱いなんですね。俺はあなたの何なんですか?」 悔し過ぎて、柊さんと目を合わせられない。 「恋人・・・であり息子だろ」 やっぱりか。 「いつまで柊さんの息子でいればいいんです?死ぬまで?この先も俺は、父親を抱いてるって思えばいいんですか?」 「それは・・・でも俺は、夏のご両親に誓ったんだよ。夏の家族として、父親として一緒に・・・」 「死人に誓ったってどうにもなんねぇだろ!返事も返ってこねーんだから!」 「あっ!夏・・・」 寝室を出て力任せにドアを閉め、バスルームに入る。 冷たいシャワーで熱くなった頭を冷やすけど、そんな事ではこの憤りを逃がすことが出来なかった。 クソ!ふざけんな・・・! 何が、誓った、だよ! 俺は、事故で両親を失ったから柊さんの息子になれた。だけど、結局その枠の中でしかいられないのも、両親を亡くしたからだ。 ハッキリ言って、俺はいない両親なんてどうでもいい。お互い 手も足も口も出せないんだから。・・・冷酷なのかもしれないけど。 いない奴らに意味の無い誓い立てるくらいなら、もっと俺の事ちゃんと見ろよ! 俺は・・・ずっと柊さんしか見てないのに。父親としてなんて見れない、思いたくない。 そう思う自分は、やっぱりまだガキなんだろうか・・・。
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