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あれから一週間。
柊さんは相変わらず父親として接してくれている。
それに応えるように、俺も素直な息子を演じる。
頭の中では柊さんのいやらしい姿を想像しながら。
一度見てしまったあの肢体を、知ってしまったあの咥内を、忘れることなんかできるわけない。
素直で、最低な息子。
「夏、今日土曜だけど予定ある?」
「無いですけど。どうしたんですか?」
「丁度よかった。今日さ、午後から友人が来るんだけど。夏にも会いたいって言っててさ」
柊さんの友だち?そういえば、この人の交友関係なんて一切知らない。知ってるのは部下の平岡さんだけ。
どんな人と付き合いがあるんだろう。
「俺も会ってみたいです」
少しずつでもいい。知らないことだらけのこの人の事を知っていきたい。
午後2時をまわった頃、柊さんのスマホが鳴る。
「下まで迎えに行ってくるから、ちょっと待っててな」
そう言って柊さんは部屋を出ていく。
わざわざ出迎えに行くなんて、どんな友だちなんだよ。相当な方向音痴とか?
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