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しばらくして、玄関ドアの開く音と柊さんの声。
リビングに入ってくる柊さんと、背の高い男性。とその後ろに若そうな女・・・
「え・・・?河森?」
それは、同じクラスの馴れ馴れしい女子、河森 千里だった。
「夏くん、こんにちわぁ。昨日も学校で会ったよね」
なんで河森がここに?
こいつ、柊さんを紹介しろってよく言ってたけど、まさか自分で近付いて・・・?
「夏、こちら、河森 万里(かわもり ばんり)さん。俺の高校時代からの友人。ちゃんと挨拶して」
長身の男性の肩に手を置きながら、柊さんが紹介してくれる。
その距離感で、二人が相当親しい間柄だと一目でわかった。なんだか少しテンションが下がってしまう。
スポーツでもやってそうな爽やかで男らしい印象の万里さん。
生っ白い柊さんとは縁が無さそうな感じがするんだけどな・・・。
「初めまして。柏木 夏です」
「よろしく、夏くん。千里と同い歳なんだってな。共通の話でもできればと思って、妹も連れてきたんだ」
「・・・河森の、お兄さん・・・」
世間は意外と狭いんだな。
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