来訪者

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「やっぱりお父さんじゃなかったんじゃん。お兄ちゃんでもなかったけど。苗字も違うしね」 河森の声は学校で話す時のそれよりも、少しだけ高いような気がする。 短いスカートなんか履きやがって。なんのアピールだよ。 柊さんに会えて、浮かれてんのバレバレだっつーの。 「とりあえず座ってよ。夏、千里ちゃんにジュース出してくれる?万里は酒でも飲む?」 「アホか。昼間から飲むわけないだろ。お前みたいに潰れないから、別に飲んでもいいけどな」 「ひっど!あんまり息子の前で威厳無くなるような事言うなよな!」 「いいだろ、湊のかわいいとこだろ。息子にも知っといてもらえよ」 知ってますよ。酔っ払ってフニャフニャになって色気増し増しの柊さんなんて。 ・・・そうか、柊さんのあの姿を、万里さんも知ってるって事か。
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