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話がまとまった所で、俺達は寝室を出た。
え・・・。
ソファに座る柊さんと万里さんの後ろ姿に思わず目が点になる。
やけに距離が近い。近いどころか、距離なんて1ミリも、無い。
友達、しかも大の大人の男ふたりが、こんなに密着して座るなんて、普通、有り得るのか・・・?
「あ、夏」
柊さんは、俺達が部屋から出てきたのに気付いて、慌てたようにバッと立ち上がった。
嫌な胸騒ぎがする。
「お兄ちゃん、わたしたち、付き合うことにしたから」
「そーか!いや~、やっぱ若いっていいなぁ。お前らお似合いだよ、マジで。よかったな、湊」
「ああ。夏に彼女ができて、俺も嬉しいよ」
並んで立つ俺と河森を交互に見て目を細める柊さん。
嬉しいのは、俺がマトモに見えるからですか?
卑しい俺の気持ちから逃げる事が出来ると思ったから?
それとも・・・友人と呼ぶその人に言えないような不貞な関係に、息子と陥らなくてよかった、と思ったからですか・・・?
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