囚われの羊

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「夏くんおっっっそい!女の子待たせるなんてマジ最低!」 「10分しか遅刻してねーだろ。彼女ヅラすんな」 「家にも呼んでくんないし、こんなんじゃ恋人ごっこしてる意味無い!」 河森とはいつもこんな感じ。友達としてでも、絶対こいつとは相性が悪い。 「こんな事なら、恋人ごっこ、のらなきゃよかった。自力で柊さんに会いに行けばよかった~!」 ・・・うるせぇ女。・・・しょうがねーな・・・ 「来週は、家に連れてってやるよ」 「マジ!?やったぁ~!何着て行こっかなぁ」 一瞬でウキウキになる河森。怒ったり機嫌良くなったりうるさかったり・・・女ってめんどくせーな・・・。 ネカフェに入って2時間。隣のブースの河森からスマホにメッセージが送られてくる。 『友達から買い物誘われちゃった。来週着ていく服も見たいし、今日はもうバイバイね』 隣から、バタン、とドアが閉まる音がして、遠のく河森の気配。 はあ!?あいつ、なに勝手に・・・ これだから女ってやつは・・・ ・・・まあいいか。たまには早く帰っても。
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