1805人が本棚に入れています
本棚に追加
「・・・あのね、夏。湊さんなんだけど・・・、実はあなたがまだ小学生の時にここに訪ねて来たことがあるの」
「俺が小学生の時?」
「ええ。夏を養子にしたいと仰ったのだけど、湊さんは大学生になったばかりで、もちろん無理だと言ってお断りしたわ」
「・・・・・・」
「その時にね、自分は必ず夏を迎えに来るから、誰にも譲らないで欲しいって。まさか、本当に数年後にまた来るなんて思ってなかった。なんだか怪しいわよね、そんな人」
「・・・・・・」
「だけど、私は湊さんなら、夏を家族として大切にしてくれると直感したわ。あなたはどう?」
家族として・・・大切に・・・。
「・・・俺も、そう思うよ」
「そう、よかった。あなたも湊さんを、大切な家族だと思えるようになるといいわね」
「・・・そうだね。・・・遅いと柊さんが心配するから、もう行くよ。またね、シスター」
「気を付けて帰るのよ。さようなら、夏」
家族、として俺を迎えてくれた柊さんを、俺は・・・
「最低最悪な息子だな・・・」
最初のコメントを投稿しよう!