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意を決して勢いよくドアを開けると、裸で四つん這いになった柊さんと正面から目が合う。
「あ・・・、夏・・・っ、なんで・・・」
青ざめる柊さんの腰を後ろから支える万里さんは、俺を見て一瞬驚いた顔をしたが、すぐに真顔に戻りその後に、ふっ、と歪んだ笑顔を作った。
「何、してるんですか」
「見てわからない?セックスだよ」
俺の質問に返ってきたのは、冷静過ぎるほど落ち着いた万里さんの声。
「男どうし・・・しかも万里さんは結婚してるんですよね。柊さんから離れてください」
「・・・ああ、千里に聞いたのか。夏くんは勘違いしてるみたいだけど・・・っ」
「あぁっ・・・!」
後ろから万里さんの腰を強く打ち付けられ、柊さんは四つん這いのまま、上半身をベッドに沈ませた。
「求めてるのは、湊の方なんだよ。よく見てて」
「万里っ、やめ・・・ぅ、あっ、あっ、ぁんっ」
何度も何度も後ろから突かれて、柊さんの声がどんどん甘くなるのがわかる。
「ね?」
「そんなわけない!あんたが柊さんを・・・っ!」
俺が見ているにも関わらず、甘い声をあげる柊さんを見ていると、自分の必死の否定が意味の無いものに思えてくる。
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