1793人が本棚に入れています
本棚に追加
/177ページ
「あたしが柊さんに感じた後暗さは、ゲイだったからなのかな・・・だったら最初から望みは無かったって事だよね」
河森は、自分の描いた柊さんの絵をじっと見詰める。
「年の差近親相姦ゲイカップル。応援してやるかぁ」
はあ、と溜息を吐きながらも、彼女は笑顔になる。
『諦め』の二文字が顔に書いてある様に見えた。
「近親相姦は違うから。血縁関係 ねーし」
「そっか。あーなんか、急にお腹すいてきちゃった。夏くんのせいでお昼食べ損ねちゃったし、午後からサボってなんか食べに行かない?」
「食べ損ねたのは、お前のせいだろ」
河森って・・・煩いし、わがままだし、好きな人の絵とかこっそり描いててキモイ所もあるけど、やっぱいいやつかも。
「しょうがねぇな。付き合ってやるよ」
「は!?『奢らせてください』の間違いでしょ!ほら行くよ!トロいやつに柊さんの彼氏なんか任せられないんだからね!」
美術室を出て偉そうに廊下を歩いて行く河森。
いいやつ、って思ったのやっぱ・・・ナシ。
最初のコメントを投稿しよう!