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past and present
高2になった俺は、夏休みを利用して柊さんの会社でバイトをさせてもらう事になった。
柊さんと昼も夜も一緒だと思うと、めちゃくちゃ嬉しかったはずなのに・・・
代表取締役の柊さんは、自ら仕事を取ってきたり現場に同行したり、挨拶回りに行ったり・・・結局ほとんどオフィスにいないし。
俺は雑用しかできないし。
はっきり言って、つまらない。
「夏くん、今、社長と一緒にFORESTのタレントさんとマネージャーさんが来るって。レセプションルーム片して、あとコーラ買ってきてもらっていい?」
庶務の女性社員に言われて、レセプションルームのテーブルを拭いた後、近くのコンビニまでおつかい。
・・・ったくよ~!コーラ買って来いってなんだよ!めんどくせぇな、ぜってーあのオバサンの飲むやつだろ、コレ!
イライラを噛み殺しながらレジで数百円のために領収書を出してもらう。
数百円の領収書でも、嫌な顔ひとつせずに出してくれる店員さん。
見習わなきゃな・・・。
俺は仕事 何もできないんだから、オバサンのおつかいくらい快く出来なくてどーする!
コンビニ店員さんのお陰で気合を入れ直した俺は、オフィスに戻って、庶務のオバサン・・・もとい、おねえサマに1.5リットルのコーラを差し出す。
「何?こんな大きいの買ってきたの?もー!・・・まあいいわ。グラスに入れて出しましょ!コーヒーふたつとコーラ、持ってってね!」
え?おねえサマが飲むんじゃなかったのか。
つーか、コーラ出す客って。タレントってもしかして子どもなのかな。
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