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stigma
夏休みが終わり、柊さんの会社でのバイトを終えた俺は、普通の高校生活へ戻っていた。
俺の提案のせいで、社内でプログラミングできるスタッフを集めアプリ開発部を立ち上げた柊さんは、ここの所毎日忙しいようで、残業の日々が続いていた。
22時
今日も柊さんはまだ帰らない。
俺はひとり夕食を済ませ、風呂に入って、リビングで印象にも残らないテレビ番組をただ眺める。
「ただいま」
柊さんが帰宅したのは24時少し前。
「おかえりなさい。お疲れ様です。今日はかなり遅かったですね」
いつもは残業でも22時には帰ってるのに。
「ああ。明日は土曜で休みだろ?皆に休出させるの嫌だし、今日はちょっと詰めてきた」
「そうなんですね、あ、飯食います?グラタン作ってみたんですよ」
「マジ?食べる~!夕飯軽く済ませただけだったから、腹減った」
最近は柊さんの帰りが遅くて、暇を持て余してる俺は、少しずつだけど料理も作るようになった。
つーか柊さんが料理全然できないし、俺ができるようになんないと。
ダイニングのテーブルに温めたグラタンを置くと、「いただきます」と手を合わせた柊さんが、子供みたいに嬉しそうに食べ始める。
小さい口をモグモグさせて可愛いな~・・・。
暫くあの口でしゃぶってもらってねぇな~・・・。
ダメだ。
この人を見てると、ついスケベな思考回路になってしまう。
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