獲物

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獲物

翌日、停学処分になるだろう俺は、会社を休んだ柊さんと一緒に校長室へ呼び出されていた。 河森の治療費は真面目クンが、真面目クンの治療費は俺(というか柊さん)が払うことになり、オマケの三日間自宅謹慎を食らってしまった。 とはいえ保護者不在の自宅での謹慎は禁止されているため、結局柊さんも三日間の休暇を取らざるを得なくなってしまった。 「アプリ開発で大変なときに・・・ほんとにすみません」 「大丈夫だよ。俺の仕事はスタッフ集めて指示出してるだけだしな。煩い上司がいなくてみんな清々してるんじゃないかな」 そんなこと無いと思うけど。 柊さんの会社でバイトさせてもらってわかった事だけど、スタッフひとりひとりを大切にしてるし、いい意味で人を使うのが上手いというか・・・その上 自分から率先して営業行っちゃったりするし。 柊さんにカリスマ性があるのは、仕事の内容が全くわからないバイトの俺でも見てわかった。 「いいスタッフに恵まれてると、上は楽できるんだよ。だから夏は気にしなくていい」 ・・・俺にまで気を遣ってくれて、やっぱり大人だな。 「すみません・・・」 この言葉しか出ない。 はあ。早く大人になりてぇ・・・。
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