囚われの羊

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どれだけの時間が経ったのかもわからない。永遠のような、一瞬のような・・・ 眠るように気を失った柊さん。 寝息を立てているのを確認して部屋を出る。 リビングのソファには万里さんが寄りかかり座っていた。 「かなり激しかったみたいだね。疲れてないか?」 「俺は平気です。柊さんは眠ってますけど」 「若いだけあるなぁ、羨ましいよ」 冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを2本取り出し、万里さんに1本手渡す。 「夏くんは、湊を父親だなんて思ってないんだろう?千里との付き合いも建前だけだよな?」 図星だった。でも隠す必要なんてもう無い。 「はい」 「湊の頼みだったから、ふたりに交際をすすめたけど、俺は乗り気じゃなかったんだ。すまない、もうフリはしなくていいよ。・・・ただ・・・湊の・・・全てを受け止める覚悟はある?」 柊さんの全て・・・? 事故の真実ならもう聞いている。 「はい。受け止めます」 「そうか、じゃあ・・・」 ペットボトルの水をひとくち飲み、万里さんがふう、と息を吐き出す。 「湊はセックス依存症だ。湊の弱みに付け込んで、俺がそうさせた。だけど俺には、1年前に親の薦めで結婚した妻がいる。正直、これからも湊との関係を続けていくのは難しい。・・・夏くん、俺の代わりに湊を抱いてやってくれないか?」
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