僕は兄として

5/33
前へ
/33ページ
次へ
「──ね、おにぃ」 僕のことを「おにぃ」と呼ぶ妹──結城玲奈(ゆうきれいな)は、今日もまた授業中に話をかけてきた。 セミの鳴き声がわずらわしい夏には、風鈴の音のように心地よい玲奈の声が、暑く火照る身体に染み渡る。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加