第一幕 龍神さま、凋落(ちょうらく)する

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「いくつだっていいじゃないですか。ここにおいてやりましょう」 「まあ、龍と住んでいると思えばいいか。こんな怪我じゃ追い出すのも酷な話だ」 右手をお母さんが、左手をお父さんが撫でます。カサカサとした年老いた手のひら。それは龍が触れたことのない温かい柔らかさでした。 ーー元気になったら、一等豊かな生活を約束しよう。あんたらが望むなら、高天原を見せてやろう。 苦難や災厄が来たのなら、この霊力ではねのけてやろう。 龍は夢の中で、こっそりそう決めました。
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