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「いくつだっていいじゃないですか。ここにおいてやりましょう」
「まあ、龍と住んでいると思えばいいか。こんな怪我じゃ追い出すのも酷な話だ」
右手をお母さんが、左手をお父さんが撫でます。カサカサとした年老いた手のひら。それは龍が触れたことのない温かい柔らかさでした。
ーー元気になったら、一等豊かな生活を約束しよう。あんたらが望むなら、高天原を見せてやろう。
苦難や災厄が来たのなら、この霊力ではねのけてやろう。
龍は夢の中で、こっそりそう決めました。
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