15.初めてのあれそれをどうするか問題

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15.初めてのあれそれをどうするか問題

その数日後、チームは居酒屋の個室にいた。 「そんな訳で、辻堂はめでたく、門倉さんとお付き合いすることになったんで。」 藤崎からの発表だ。 「はあー?!あの、紗夜ちゃんが、なんで?なんで辻堂さんなの?いや、辻堂さんはいい人だけど…なんで?いつの間にそんなことになっちゃう訳?!」 「大輝、騒ぐな。チームのみんなに改めて説明しておこうと言ったのは、辻堂だ。」 「黙っていても良かったのに、なぜですか?」 草下が真っ直ぐに辻堂に尋ねる。 「世間に派手に公表するつもりはないけれど、仲間には知っておいてもらってもいいのかと思って。」 お通しを口に入れつつ、辻堂は淡々と話す。 そうなんだよなあ、こんなに普段は淡々としているんだけどな。 紗夜に向かう時の辻堂とのギャップを思うと、本当に可愛くて仕方ないんだろうなあと藤崎は推察する。 「それに万が一、なにかあった時に心の準備があればフォローも出来るだろう。」 「もちろん誰にも言わないし、何かあったらフォローはするけどさあ…。」 「城戸さんはもしすっぱ抜かれたら発表すると言っていたし、辻堂もそれについては覚悟をしている。まあ、城戸さん曰くに、今のマスコミは相手が一般人の場合は個人情報なんかの問題とか、そこにまつわるコンプラのことなんかもあるから、ひどくすることはないだろうということなんだが。」 「加えて、彼女も今までクリーンですからね。」 「大々的に発表するなら然るべき時に、然るべき形でってことなんだろう。」 散々、みんなで呑んで騒いで藤崎は辻堂にもう一軒行こうと声をかけた。 辻堂も、もう少し飲みたい心境だったのでそれに頷く。
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