19.朝を迎えて

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「入るよ。」 紗夜の横に辻堂が入ってくる気配がする。 ざぁっとお湯の流れる音。 「紗夜?なんで、目閉じてんの?」 「なんか…緊張して…っ。こうしたら、見えませんよね。」 「俺からはすごく見えているけどね。」 「確かにっ!」 そっと、手を握られた。 「嫌じゃなかったら、そっと、目を開けて。」 紗夜はそうっと目を開ける。 辻堂が笑ってこちらを見ていて、はっとして、慌てて両手で身体を隠そうとするけれど、その手は握られていた。 「もう、見たから。」 「あの!グラビアみたいにおっきくなくて、ごめんなさい。」 「なんの、お詫び?」 辻堂はきょとん、としている。 「え…だって…」 紗夜は、先程ぐるぐるしていた、自分の胸の内を伝える。 「あ…まり、自分で見たことはなかったんですけど、その…胸、もあんまりないですし…、こう、お尻もあまり魅力的でなくて、ですね…」 「俺、大き過ぎる胸、好きじゃないし。」 「え?男性はみなさん大きい方がいいのかと…」 「好みでしょ。紗夜の身体、初めて見たけど…、好み過ぎて、どうしようって今、思ってる。」 「あ…良かった…」 とりあえず、ダメではないらしいと分かって、安心して、急に紗夜は恥ずかしくなった。 辻堂が、じっと…見ているから…。
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