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「入るよ。」
紗夜の横に辻堂が入ってくる気配がする。
ざぁっとお湯の流れる音。
「紗夜?なんで、目閉じてんの?」
「なんか…緊張して…っ。こうしたら、見えませんよね。」
「俺からはすごく見えているけどね。」
「確かにっ!」
そっと、手を握られた。
「嫌じゃなかったら、そっと、目を開けて。」
紗夜はそうっと目を開ける。
辻堂が笑ってこちらを見ていて、はっとして、慌てて両手で身体を隠そうとするけれど、その手は握られていた。
「もう、見たから。」
「あの!グラビアみたいにおっきくなくて、ごめんなさい。」
「なんの、お詫び?」
辻堂はきょとん、としている。
「え…だって…」
紗夜は、先程ぐるぐるしていた、自分の胸の内を伝える。
「あ…まり、自分で見たことはなかったんですけど、その…胸、もあんまりないですし…、こう、お尻もあまり魅力的でなくて、ですね…」
「俺、大き過ぎる胸、好きじゃないし。」
「え?男性はみなさん大きい方がいいのかと…」
「好みでしょ。紗夜の身体、初めて見たけど…、好み過ぎて、どうしようって今、思ってる。」
「あ…良かった…」
とりあえず、ダメではないらしいと分かって、安心して、急に紗夜は恥ずかしくなった。
辻堂が、じっと…見ているから…。
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