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「っ…あの、絢人さん…すごくどきどきしちゃうので…」
「俺もドキドキしてるよ?」
ほらと握っていた手をそっと、そのしっかりした胸の上に置かれる。
どくっ、どくっと、早くて強い鼓動を手のひらの下に感じて、紗夜はますますどうしていいか、分からなくなる。
それに、肌に…触れてしまった…。
滑らかで思っていたよりも胸板が厚くて、やはり仕事柄鍛えているんだな、と思う。
肩幅広い…。
今朝、顔を見ていた時も思ったけれど身体も、肌が滑らかで綺麗。
「紗夜寒くない?」
辻堂は紗夜の肩に、そっとお湯をかけてくれる。
「少し肩が冷えている。こうしたら溺れないから。」
辻堂が紗夜の身体の向きを変え、後ろから紗夜の身体を抱きしめてくれた。
抱いてくれているから、身体が沈まなくて済む。
「ん…」
「温まったら上がろうか?」
「ん。」
辻堂の身体に自分の身体を預けて、紗夜は幸せを感じた。
…のだが…。
「えっと、何かが腰の辺りに。」
「好きな人を抱いているので、その生理現象は理解して欲しいんだけど。」
「生理現象…」
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