19.朝を迎えて

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「っ…あの、絢人さん…すごくどきどきしちゃうので…」 「俺もドキドキしてるよ?」 ほらと握っていた手をそっと、そのしっかりした胸の上に置かれる。 どくっ、どくっと、早くて強い鼓動を手のひらの下に感じて、紗夜はますますどうしていいか、分からなくなる。 それに、肌に…触れてしまった…。 滑らかで思っていたよりも胸板が厚くて、やはり仕事柄鍛えているんだな、と思う。 肩幅広い…。 今朝、顔を見ていた時も思ったけれど身体も、肌が滑らかで綺麗。 「紗夜寒くない?」 辻堂は紗夜の肩に、そっとお湯をかけてくれる。 「少し肩が冷えている。こうしたら溺れないから。」 辻堂が紗夜の身体の向きを変え、後ろから紗夜の身体を抱きしめてくれた。 抱いてくれているから、身体が沈まなくて済む。 「ん…」 「温まったら上がろうか?」 「ん。」 辻堂の身体に自分の身体を預けて、紗夜は幸せを感じた。 …のだが…。 「えっと、何かが腰の辺りに。」 「好きな人を抱いているので、その生理現象は理解して欲しいんだけど。」 「生理現象…」
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