19.朝を迎えて

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「だから言いましたよね。紗夜、あなた俺の好み過ぎるんです。」 「私、絢人さんの好みなんですね。嬉しい…。」 「その顔、本当に可愛すぎるので。」 はあっ、と大きくため息をついて、辻堂は紗夜を湯船から抱き上げた。 「もう、充分温まりましたね?」 「はい。」 そのまま辻堂は紗夜を部屋の中に入れ、ベッドに下ろす。 「絢人さん、ベッド濡れちゃいます!」 無言で立ち上がった辻堂は、バスタオルを持ってきて紗夜の身体と髪を拭いた。 ざっと自分の身体を拭いたあと、紗夜の両手を自分の手で絡める。 「もう…逃がしませんからね。」 あ…れ? にっ…と笑う辻堂は見たことのない顔で。 「んっ…あ、やぁぁんっ…」 「んー?紗夜、ココ?気持ちいいの?」 ひっきりなしに声が漏れてしまう紗夜の身体を、先程から楽しそうに辻堂が触れている。 辻堂が触れるどこにも、紗夜は感じてしまって、自分の身体にこんなに快感を感じるところがあったのかと、怖いくらいだ。 それでも辻堂が抑えなくていい、と言ってくれるから、感じている紗夜が見たいと言ってくれるから我慢はしない。 ただ気持ちよくて、良すぎて、困って涙が出てしまうだけなのだ。 耳元や、首筋や、鎖骨や肩にとあらゆるところに口付けられて、触れられていないのは、…大事なところくらいで。 けれど、そこもさっきから、熱くてじゅん、として足を閉じたくなってしまうのだけれど。 「もう…いいかな。」 なにが? はぁ…はぁ…とお腹で大きく息をしていたら、そのお腹に辻堂が唇を付ける。 「んっ…」 身体を反らせた紗夜の、胸の先をその綺麗な指ですうっと撫でた。 「…っは、も、胸、ダメ…」 「ダメなの?どうして?」 「…か、感じちゃうからぁ…」 「可愛い。じゃあ、違うところにしようか?」 こくこくっ、と紗夜は頷く。
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