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「だから言いましたよね。紗夜、あなた俺の好み過ぎるんです。」
「私、絢人さんの好みなんですね。嬉しい…。」
「その顔、本当に可愛すぎるので。」
はあっ、と大きくため息をついて、辻堂は紗夜を湯船から抱き上げた。
「もう、充分温まりましたね?」
「はい。」
そのまま辻堂は紗夜を部屋の中に入れ、ベッドに下ろす。
「絢人さん、ベッド濡れちゃいます!」
無言で立ち上がった辻堂は、バスタオルを持ってきて紗夜の身体と髪を拭いた。
ざっと自分の身体を拭いたあと、紗夜の両手を自分の手で絡める。
「もう…逃がしませんからね。」
あ…れ?
にっ…と笑う辻堂は見たことのない顔で。
「んっ…あ、やぁぁんっ…」
「んー?紗夜、ココ?気持ちいいの?」
ひっきりなしに声が漏れてしまう紗夜の身体を、先程から楽しそうに辻堂が触れている。
辻堂が触れるどこにも、紗夜は感じてしまって、自分の身体にこんなに快感を感じるところがあったのかと、怖いくらいだ。
それでも辻堂が抑えなくていい、と言ってくれるから、感じている紗夜が見たいと言ってくれるから我慢はしない。
ただ気持ちよくて、良すぎて、困って涙が出てしまうだけなのだ。
耳元や、首筋や、鎖骨や肩にとあらゆるところに口付けられて、触れられていないのは、…大事なところくらいで。
けれど、そこもさっきから、熱くてじゅん、として足を閉じたくなってしまうのだけれど。
「もう…いいかな。」
なにが?
はぁ…はぁ…とお腹で大きく息をしていたら、そのお腹に辻堂が唇を付ける。
「んっ…」
身体を反らせた紗夜の、胸の先をその綺麗な指ですうっと撫でた。
「…っは、も、胸、ダメ…」
「ダメなの?どうして?」
「…か、感じちゃうからぁ…」
「可愛い。じゃあ、違うところにしようか?」
こくこくっ、と紗夜は頷く。
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