19.朝を迎えて

9/10
前へ
/131ページ
次へ
胸を辿った指はさっきキスしていた、お腹を通りぬけ腰骨の辺りをなぞる。 「んっ…」 「強い快感ではないけど、ここも気持ちよさそうだな。」 手はゆっくりと、足の付け根に向かう。 「あ…」 「まだ、触れない。けど…ねえ紗夜、まだ触れていないけど、ここ、付け根も太腿もすごく濡れているの分かる?」 紗夜は首を横に振った。 濡れているかどうかは、自分では分からないから。 「自分ではどういう感じ?」 「分かんないっ…けど、なんか、じゅんてして足閉じたい…。」 「だめ。もうちょっと開いて。」 「っ…ん…」 恥ずかしい…けど、辻堂の声には逆らえない。 おず…と足を開く。 「よく出来たね。」 足の付け根辺りを唇で吸われて、紗夜の身体がびくん、と跳ねる。 「…は、あんっ…」 「まだ、肝心なところには触れてないけど、すっごくとろとろでいっぱい出てきてる。これだけ濡れていれば大丈夫だろ。」 辻堂の指が狭間の肉芽に、そうっと触れる。 その瞬間、紗夜の身体は電流が走ったかのように、ぞくぞくっとした。 反射的に足が閉じようとするけれど、そこには辻堂がいるので、それは出来ない。 「んっ、あ…あ、や…」 「イヤ?嫌ならしない。もし、嫌じゃないならいいって言って。気持ちいいって。紗夜もっとって、もっとしてって。」 「…んっ、あ…分かんないぃ。でも、やめちゃ…や…」 「可愛い、紗夜…」 くすり、と笑った辻堂が紗夜の頬にキスをする。 その時、中に何かが入ってきた感じがした。 「…あ…」 「うん。指入れてる。大丈夫?痛くない?」 「痛く…ない…」 「じゃ、もう少し増やすね。」 中を押し広げられる感覚が強くなり、紗夜は辻堂にぎゅうっとしがみついた。 ゆっくりとした指の動きに、合わせて淫猥な水音が聞こえる。 「や…やだ、恥ずかしいっ…。」 でも、身体を動かしても捩っても、水音は響くだけだ。
/131ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3602人が本棚に入れています
本棚に追加