14.伝わる気持ち

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「あら、お邪魔…。」 「大丈夫です。」 辻堂は眼鏡を指で抑えて、即答で返す。 どう見ても、辻堂が襲われている風なのが、凛にはおかしくて仕方ない。 まあ、払いのけたりは出来ないものねえ…。 ボディーガードの面々は武道にも優れているとは聞いているけれど、好きな子には形無しのようだ。 そんなところも微笑ましい。 「行きましょうか。紗夜ちゃん。現場で、城戸さんがお待ちだから。」 「はい。」 そっと、辻堂から離れて、紗夜はいつものようにきゅっと、服の袖を掴む。 「一緒に行きます。」 辻堂は紗夜に微笑みかけた。 ここは避けては通れない。 「そうね。藤崎部長も一緒に行かれるそうだから。」 藤崎と辻堂、紗夜と3人で現場に向かった。 到着すると、城戸が駆け寄ってくる。 「紗夜ちゃん!」 紗夜はぺこりと頭を下げた。 「城戸さん、心配かけてごめんなさい。」 「本当だよ!監督は大丈夫しか言わないし紗夜ちゃんはいないし、携帯は控え室で鳴ってるし、本当に…話は控え室で聞くから。」 スタジオの中にある控え室に4人で入る。 「で、どういうことかな?なぜ、彼らに会いに行ったの?」 「楽しかったんです。一緒にいた時。」 「彼らにとっては、仕事だよ。」 厳しい声で城戸にそう言われ紗夜は俯く。
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