待ち合わせ

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待ち合わせ

「遅い……ホー」  僕は深い溜息が出るのを止められなかった。もう三十分も待っているのに、彼女が現れないからだ。  彼女って言ったけれど、そんな関係までは全然進んでない。そこには僕――ヨーロッパ・コノハズクとしての強い願望が入ってるんだ。  待ち合わせの場所は間違いなく、ここ。昨日から数えても、もう二十回も地図を確認している。  僕はスマホを取り出して、油で汚れた画面を自分の羽毛でさっと拭きとった。そのあと、送信済メッセージを確認してみた。  確かに書いてある。  『イケフクロウ駅のニンゲン像の前 深夜2時』  ここは待ち合わせ場所としては、超が付くほど有名だ。普通に名前を言っただけでも通じるほど。  だって有名な像だよ? 『ニンゲン』知ってるよね? いまやTVのどのチャンネルを付けても毎日映るほど、人気のキャラクターさ。  細長い体と小さな頭、長い手足が大人気なんだ。まぬけな顔してるから、ゆるキャラってやつだね。     
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