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そんなときだ。たまたま買い物帰りの自分の母親が通りかかったのは。
大きなスーパーの袋を肘にぶら下げて、まじまじとこちらを見つめてくる。
そして、帰宅ラッシュということもあり駅前を狂ったように早足で歩くサラリーマンの群れに飲まれそうになりながらも彼女はこちらに近寄ってきて一言
「相変わらず仲がいいわよね、あんたたち」
と、どこかねめるような視線をこちらに投げかけてきた。
私は少しだけ大きな声で言ってやった。半ば反発するように。
「別に、普通だよね」
天本はほくほく顔になりながらつぶやいた。
「うん、普通」
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