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「……くるみさん、ちょっとスマホ貸してくれます?」
「? えっ、うん……いいけど?」
くるみさんのスマホのアドレス帳に、勝手に自分の名字と携帯番号を登録する。
名字だけなら、第三者に見られても、男か女か分からないからだ。
「……はい。これでLIMEで友達になったから。愚痴りたくなったら、いつでも話聞けますよ?」
「……ありがとう、大悟くん。やっぱり優しいなぁ、もう」
照れ笑いしているくるみさんを見て、俺は内心ホッとしていた。
勝手にLIME友達になったから、嫌がられないか実は不安だったから。
【注】 LIMEとわざと「N」を「M」にしてあります。
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