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ジャスティンは、実は、料理好き男子だった。
今、ナッツが料理ができないと聞いて、俄然やる気が増していた。
こういうタイプの子には、美味しい物をたくさん食べさせてやりたい。
「本当に恥ずかしいんですけど、私の主食はポテチです」
「ポテチ?
ポテチってポテトチップス??」
ジャスティンは、あまりの驚きでナイフを落としそうになった。
「主食ってことはおかずもあるの?
え? じゃ、おかずは何?」
ジャスティンがチラッと木の実を見ると、肩をすくめてはにかんでいる。
ジャスティンの動きが一瞬止まった。
ナッツの可愛いらしさに、何だか胸の奥の方がブルブル震えている。
「おかず?
あ?、おかずはですね?
ちゃんと肉系のものは食べてましたよ。
ジャーキーが大好きで、魚系はするめとか」
ジャスティンはパスタを茹でながら、木の実の顔を自分の大きな手で包み込んだ。
ジャーキーにするめ? それはつまみだよって。
「そんなものばっかり食べてたら、死ぬぞ。
よし、今日から一週間は、俺が栄養のある物をちゃんと食べさせる。
ナッツは美味しい美味しいって食べるだけでいいから。
分かった?」
木の実は目がなくなる程の笑顔で大きく頷いた。
ジャスティンはザワザワする胸の異変を無視して、パスタの仕上げに入る。
ナッツに美味しい物を早く食べさせてあげたい。
何だか、とっても楽しいんだけど…
俺って、女の子の前でこんなんだったっけな…?
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